(Cocaine Bear, 2023)
1985年、マフィアが密輸していたコカインが自然公園のど真ん中で紛失し、それを大量に摂取してハイになったクマが凶暴化してヒトを見境なく襲うようになる。そんなコンセプト以上におもしろいことはほとんど起きない。主にクマのCGにそれなりの予算がかけられてもいて、プロット的にも「親子の絆」のモチーフを重ねるということをやってはいるのだけれど、いかんせん「コカインでイカれたクマ」というスターを持て余し気味。とはいえ、大惨事というほどでもなく、ハイになってのたうちまわるクマはキュートだったし、森林保護官役のマーゴ・マーチンデイルは輝いていた。これが遺作のレイ・リオッタもそれなりに見せ場があって悪くない。ところで、あれだけの量のコカインを子どもが経口で摂取したら、普通死ぬとおもうんですが……。